東間 紘先生
急増する前立腺がんにご注意
戸田中央総合病院
名誉院長 東間 紘 先生
九州大学医学部卒業。87年東京女子医科大学泌尿器科教授。02年同大学病院院長。現在は同大学名誉教授。
戸田中央総合病院
埼玉県戸田市本町1−19−3

近年、最も増加している日本人男性のがんとして、前立腺がんが注目されています。これまで多くの泌尿器がんの臨床研究を行ってきた戸田中央総合病院の東間紘先生に前立腺がんについて伺いました。

 

食の欧米化で急増

前立腺がんは、男性特有のがんで、いま急速に増えています。2010年から2014年の国内の年平均罹患者数と、90年から94年の罹患者数を比較すると、増加率はこの20年間で6.6倍に、死亡者数もおよそ2.5倍に増加しています。

もともと日本人男性は世界で一番前立腺がんが少ないといわれていました。それが世界でも増加率が特に目立つようになってきたのは、タンパク質、脂肪などの多い食品を摂ることが増えた、日本人の食生活の欧米化が深く関わっていると考えられています。

 

PSA検査で早期発見が可能に

前立腺は、男性の膀胱の出口にある生殖器官のひとつで、大きさは成人男性で栗の実大ほど。前立腺がんは「高齢者のがん」といわれるように、多くは40歳以降に発症し、60〜70歳以降特に増加します。比較的進行が緩やかなうえ、自覚症状が少ないのが特徴で、従来は、骨への転移による骨折や、腰の痛みなどをきっかけに発見されることがほとんどでした。

ところが、近年、血液検査によって前立腺がんの可能性がわかる「PSA検査」が普及し、早期に発見できるようになりました。

 

ロボットで手術も

▲戸田中央総合病院の内視鏡手術支援ロボット
「ダ・ヴィンチ」

前立腺がんの治療法には、手術療法、放射線療法、ホルモン療法があり、早期がんに対しては、ほぼすべての治療法が選択可能です。患者さんの年齢や健康状態、希望などを考慮したうえでいずれかを選択します。場合によってはこれらを併用することもあります。

手術療法において、県内では昨年から、戸田中央総合病院などいくつかの病院で米国製の内視鏡手術支援ロボットが導入され、前立腺がんの全摘出手術を行っています。医師がモニターを見ながらロボットアームを操作して行う手術は、人間の手以上の緻密な動きが可能です。周りの神経や血管などを傷つけずに患部のみを摘出できるので、患者さんの体への負担が少なくなり、尿漏れなどの後遺症も軽減されました。

前立腺がんは、早期に発見すれば、高い確率で根治が可能です。50歳を過ぎたら一度はPSA検査を受けることをおすすめします。

 

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