松島 久雄先生
救命医療〜知っておきたい処置と現状〜
獨協医科大学越谷病院 救命救急センター
主任教授・センター長
松島 久雄 先生
1993年獨協医科大学卒業。1999年芳賀赤十字病院麻酔科部長。獨協医科大学救急医学講師、准教授を経て2015年より現職。日本救急医学会指導医・評議員。
獨協医科大学越谷病院
埼玉県越谷市南越谷2-1-50
TEL.048-965-1111

心肺停止で倒れてしまった人を目の前にしたとき、私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。自分でできる救命処置と、救命医療の現状について、獨協医科大学越谷病院の松島久雄先生に伺いました。

 

心肺蘇生で重要な胸骨圧迫とAED

心肺停止状態になった人には、できる限り速やかに心肺蘇生を行わなくてはいけません。倒れた人の意識がなく、いびきのような不規則な呼吸をしている場合は心臓が止まっているサインなので、躊躇せず119番通報をし、直ちに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始めてください。胸骨圧迫は、心肺蘇生法の中でも特に重要な方法で「強く、速く、しっかり」行うのが大切です。もう一つ重要な方法が電気ショックであり、AEDを入手できる環境にあるならぜひ使用してください。
心肺蘇生については、トレーニングを受けて身につけておくのが望ましいですが、たとえ知識がなかったとしても、119番通報をすれば、電話口で救急隊の通信指令員が丁寧にやり方を教えてくれるので安心です。その際覚えておいてほしいのが、携帯電話のスピーカーホンの使い方です。携帯を持たない手ぶらな状態であれば、指示を聞きながら正確に措置をすることができます。大切な人の命を助けるために、勇気を持って行ってください。

 

在宅での看取りも

▲埼玉県東部における救命医療の中核的な存在。
 24時間体制で救命救急を行っています。

私たちは救命をする立場ではありますが、今の高齢化社会においては、必ずしも救急車で病院に搬送して蘇生をすることだけが最善とはいえないケースがあります。余命がある程度わかっている場合、ご本人や、ご家族の意に反して命が尽きるまで治療を続けるのではなく、在宅で家族に見守られながら医師に看取ってもらうという選択肢もあることを知っておいていただきたいのです。
ただ、それは病状が急変したときその場でできることではなく、普段から往診・訪問をしてくれる医師や看護師の存在があってのことになります。国は今、在宅で看取るために医療・介護・生活支援などを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」を推進し、取り組み始めています。
満足のいく終末の時間を過ごすためには、自身の最期のあり方について日頃から家族とよく話し合っておくことが必要です。もし在宅での自然な最期を希望するのであれば、そのためにはどうすればいいのか近隣の病院などに相談されることをおすすめします。

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