古澤秀実先生
乳がんで命を落とさないために
川口工業総合病院 ブレストセンター
乳腺外科部長 古澤秀実 先生
1958年生まれ。山形大学医学部卒業。癌研究所、ブレストピアなんば病院などを経て現職。日本外科学会専門医。日本乳癌学会指導医。
医療法人新青会 川口工業総合病院
埼玉県川口市青木1-18-15
TEL.048-252-4873

日本女性に不向きなマンモグラフィ

2012年に国内の女性が罹患したがんの1位は乳がんです。12人に1人が発症する計算であり、女性にとって乳がんがいかに身近な病気であるかがわかります。
がんのよりよい対処法は、早期発見・早期治療です。乳がんによる死亡率を下げるためには、がんを小さく見つけることがなにより大切であり、そのためには検診が欠かせません。
乳房専用X線検査であるマンモグラフィは、乳がん早期発見のための検査法の一つです。行政が40歳以上の女性に対して奨励してきたことから、国内では乳がん検診の受診率は上がりました。しかし、依然として死亡率は下がっていません。
なぜなら、マンモグラフィで発見できるのは、ほとんどが微細石灰化した非浸潤がんで、転移しないため生命にかかわることがないからです。また、乳房は主に、乳腺、間質、脂肪によって構成されていて、X線画像上では、乳腺と間質は白く、脂肪は黒く写ります。乳房内の脂肪が多く、黒い背景に白いしこりを見つけやすい欧米の女性に比べ、日本女性の70〜80%は乳腺が濃く、白い背景に白く写る腫瘍を見つけにくい「デンスブレスト」です。そのため、マンモグラフィではがんを発見しづらいのです。

 

小さく見つけるため検診の個別化を

▲川口工業総合病院にある最新の3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」。
従来の2Dよりクリアな画像が撮れます。
同病院は、世界最高峰のデジタル超音波マシンも備えています。
 
 
 
 
 
 

超音波検査も乳がんの早期発見のための検査法です。白い背景に腫瘍が黒く写るので、転移の可能性がある浸潤がんをより小さく見つけることができます。多くの日本人女性には、マンモグラフィより超音波検査の方が向いていると言えるでしょう。マンモグラフィも超音波検査も、それぞれ長所・短所がありますのでそれらを併用することをおすすめします。
これからの乳がん検診は、一律に同じ方法で行うのではなく、その人に一番合った方法で受診することが望ましいでしょう。デンスブレストの人はマンモグラフィ+超音波、脂肪の多い乳房の人はマンモグラフィのみ、ハイリスクの人はマンモグラフィ+MRIというように、それぞれベストの方法で行うことが、がんを確実に小さく見つけ、がんから命を守る近道です。

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